勇者の印 |
- 日時: 2005/08/08 19:19
- 名前: 兎菊
- 私の弟は勇者だ。
「今度こそ≪勇者の印≫を取り返してやる!」 「あんたさ、ゲームも程々にしなよ」 但し、ゲームの中の勇者だ。 ある日、弟は私にこう言った。 「運命の人が現れた!一緒に来てよ。」 私は何を言ってるのかさっぱり分からなかったが、くだらない冗談だと思ったので 「うん。分かった。」 と相槌を打っておいた。 それから弟は何も言わなかったので、 ‘やっぱりくだらない冗談じゃない’ と思いつつ自室にもどった。 「あいつにも困ったもんだよ。ゲームのやりすぎ!テレビ見れないじゃん。」 弟が居間から私を呼ぶ声が聞こえた。 「お姉ちゃん!!ちょっと来て!!」 かなり焦っているみたいだった。 「何!?あっ、運命の人ってのが現れたの〜?」 と、少し悪戯をしてからかってやった。 「違う、違うよ!!ふざけてないで早く!!」 「叫ばなくっても聞こえるっつうの!うるさいなー。」 やっぱりかなり焦っているようだ。私はしょうがなく居間の方に行った。 居間に行くなり、弟が私の服の袖を引っ張った。弟の肩に、私の長い髪が掠った。窓が少し開いている。確か今日は夏一番の暑さだったはず。 風が気持ちいい。暑く熱を持った肌に、少し冷たい風が心地良い。 「いきなり何なのあんたは!?引っ張んないでよ、伸びるじゃん。…?」 そして私はあるモノを見た。 「誰、この人…?美人…。もしかして…あんたの運命の人!?月と鼈じゃん!!」 とは言ったものの、弟は近所の人達から見ても「美人」と言わせる程の顔を持っている。つまり、「将来が楽しみねぇ〜」状態の顔なのだ。 「違うよ!僕のじゃなくてお姉ちゃんのだよ。」 呆れた。私はレズじゃない。 「ふざけないでよ!!!」 弟の顔に思いっきり座布団を叩き付けてやった。 「ふざけてないのに何すんのさぁ!?いきなりっ!」 思いっきりふざけてる。そう思ったから今度はゲンコツで殴ってやろうと思った。その矢先、 「三波さん…?」 弟の運命の人(私の推定)が私を呼んだ。
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