第3章:地獄の試験(中編)

近郷監督:「さ、打撃テスト終了だ。次のテストは短距離走だ。100mを全力で走ってもらう。このテストの記録保持者は打撃テストと同じ佐藤だ。だがただの短距離走じゃない、このシューズをはいてもらう。」

佐藤:(俺このテストきらいなんだよな、あの靴ペアで10kgあるし。ここはぎりぎり1位のタイムをだして早く終らせちゃおう。)
佐伯:(短距離走ですか。)
溝口:「へへ、得意科目だぜ。」(ここで佐藤に勝ってはやいところ最終テストまで決めなきゃ、足がもたねえ…)

近郷監督:「では一人目走ってもらう。3、2、1、スタート!!!」

1年軍はみな黙り込んだ、あの靴が地面に触れる度にものすごい音がする。ズシャ、ズシャ…

近郷監督:「23秒56!」
近郷監督:「よし次!3,2,1、スタート!!!」

このテストは当分つづき、20秒のタイムをきるものは一人もでなかった。だが、

近郷監督:「佐藤、お前の番だ。」
佐藤:「はい。」
近郷監督:「3、2、1、スタート!!!」

佐藤がこれまでのレベルとは次元のちがう走りをする。
ズシャーーー!!!
1年軍:(早すぎる!これがこの学校のレベル!?)
溝口:(そんなにたいしたことねえじゃん。)
近郷監督:「17秒32!」

だがさらに、…
近郷監督:「次だ、溝口!!!3、2、1、スタート!!!」
ズシャ、ズシャ、ズシャ、
溝口:(足痛!)
佐藤:(速い!)
近郷監督:(ほう、あしを傷めて、ここまでのスピードを出せるのか、おもしろい。)
近郷監督:「15秒12!」
1年軍:「おお!!!佐藤さんの記録、超えたぞ!」
佐藤:(全力じゃなかったが、負けた事にかわりはないか。)
橘:「…」
佐伯:「すごいじゃないですか!この高校の記録更新じゃないですか。」
溝口:「当たり前だろ、楽勝!ねえ監督さん、僕もう記録を破ったんだから最終テストに進めるんでしょ!?だからもう寝てていいですか?足が痛くて…」
近郷監督:「最終テストは明日だ。明日に備えて帰ってよろしい。」
溝口:「じゃあお言葉に甘えて。」

足を引きずりながら校庭を出て行く溝口。

3テストのうち、最後のテストの守備テストはなんと佐伯が記録保持者に勝って1位の記録を…
橘:「当たり前だろ、やつは中学時代に俺と黄金バッテリーを組んでたんだからな。」

近郷監督:「よし、今日のテストはここまでだ!最終テストに進めるものだけ、このA、B、C、D,チームに名前が載ってある。計36人だ。

Aチームには橘と佐伯がいる、Bチームには溝口の名前が…

近郷監督:「残念な事だがこのリストに名前が入って無かった者は失格だ。それでは少しだけ明日やる最終テストの説名をする。AチームはBチームと、CチームはDチームと試合形式をしてもらう。では1年軍今日はもう帰っていいぞ。」

すごく残念そうに立ち去る1年軍と、喜びつかれてそろそろ帰っていく1年軍。
二時間後…

桐原キャプテン:「監督、今年の1年はどうですか?」
近郷監督:「面白いのが揃っている。明日の最終テスト楽しみだ。」
桐原キャプテン:「そうですか、期待できそうですね、ところで監督、今年の最終テストにあの裏ルールは使うのですか?」
近郷監督:「もちろんだ。」
桐原キャプテン:「そうですか…」

なんとか得意の種目の短距離走をつかって最終テストまで進んだ溝口だったが、最終テストで、橘、佐伯の黄金のバッテリーと当たるなんてしるよしも無かった。近郷監督が言う裏ルールとは?そして最終テストの行方は?次章、最終テストスタート!

第3章:地獄の試験(中編)「終了」