「TRICK the novel  in pawaland」 (第一話)

作者:ドリック




この小説はTRICKの登場人物&登場人物の性格・設定等は変えずにこの私ドリックが
超常現象のトリック・手品の種・主要キャラ以外の登場人物・その人物の性格・設定等を考えて書きました推理小説です。
TRICKを見た事のある方は小説中の場面をドラマと合わせながらお読みください。
それ以外の方は自分のイメージでお願いします。
果たして皆さんは私の考え出したトリックを見破る事が出来るでしょうか。
それでは皆さんお楽しみ(お考え)下さい。



第1章

私の名前は山田奈緒子。
偉大なマジシャンだった今は亡き山田剛三と書道教室の先生をしている山田里見の娘。
父のおかげで私のマジックの腕は天才的。
だから超人気の売れっ子マジシャン!
……………のはずなのだが。
今の人達は私の凄さ分かってないらしく裏方が全てをやっているアイドルのようなマジシャンに皆の注目が集まっている。
全く今の人達は何を考えているのかしら。
今日も私はマジックを披露したが結局お客は集まらずに…。

雇い主>じゃあ、これは今日までの給料だから。
    これからも気を落とさず頑張ってね。
    じゃあねバイビー。
    

私は今日もあのボロアパートに皆の嘲笑を浴びながら帰る事となった。

〜池田荘前〜
ハル>山田、山田!
山田>はい、なんでしょう。
   家賃は来週には必ず。
ハル>そう言って今日で3ヶ月目。
   いつになったら払ってくれるのかねえ。
山田>すいません。
   本当に来週には払いますので。
ハル>それより、あの、あれだよほら、お客さんだよ。
   名前何ていったっけ?
   あの人だよ、ほら。
山田>あの人?
   まさか!

〜池田荘二階山田奈緒子宅室内〜

上田>おお、お帰り。
   待ってたんだぞ。
山田>ひとの部屋で何してるんですか?
   出ていって下さい!
上田>まあ、ちょっと待てよ。
   話があるから来たんだ。
   君はパラサイコロジーアカデミーを覚えてるか?
山田>覚えてますよ。
   あのバラバラサイコロステーキでしょ。
上田>パラサイコロジーアカデミーだ。
   俺相手にボケるんじゃない!
   とにかくだ、あの後あの学校がどうなったか知ってるか?
山田>知りませんけど。
上田>あの後あそこは潰れてしまったらしい。
   しかしだ、他にもあそこのような所がまだあるというんだよ。
山田>そりゃあインチキで儲けられるんなら沢山出来ますよ。
上田>興味あるだろう?
山田>全くありません。
   話は終わりですか? 終わりなら帰ってください。
上田>まだ話は終わってない。
   僕が知ってる所では誰でも霊能力を使えるようになる所があるらしいんだ。
   行ってみたくないか?
山田>あのねえ、さっきから何度も言ってるように私は暇じゃないんですよ。
   どうせ、どっかの雑誌で見たんでしょう。
上田>雑誌で見たわけじゃない。
山田>じゃあ矢部さんに持って来られたんでしょう。
上田>その通りだ。
   しかしだな、YOUはこの情報を聞けば必ず行ってみたくなるはずだ。
   そこの集会に出席すれば本物のイタコに会えるらしいんだ。
山田>イタコ? お寿司のネタですか?
上田>タコじゃない。 イタコだ。
   死後の世界の人間とこちらの世界の人間が話をする時の橋渡しをする人の事だ。
山田>なんだ、それですか。
   知ってますよ。
   私も出来ますもん。
上田>どうせまたいつものクソ手品だろう。
山田>手品だと思うならやってみましょうか?
   まず誰を呼び出すか言って下さい。
上田>じゃあ、死んだ曾祖母を呼び出してくれ。
山田>分かりました。
   ンッーーーーー。
   ウッ
   おお、次郎かい?
上田>そうだよ、ばあちゃん。
山田>こっちの世界からはそっちが見えないんだよ。
   でも、お前の考えてる事なら分かるよ。
   まず好きな漢字を三個紙に書いてみなさい。
上田>書いたよ、ばあちゃん。
山田>じゃあ、今から私がお前の考えを読むよ。
   
山田>今からお前は自分で選択した漢字を消していく事になるんだが私は最後にどの漢字が残るのか当ててみよう。

山田が別の紙に漢字を書きこむ。(上田には何を書いたか見えていない)

山田>何か教えておくれ。
上田>上と田と天だよ。
山田>じゃあ、その中の一個を口に出してごらん。
上田>上。
山田>じゃあ、その漢字を塗りつぶして。
山田>そして、もう一個口に出して。   
上田>次は天だ。
山田>じゃあ、次はその漢字も塗りつぶして。
上田>やったよ。
山田>残ったのは田だね。
   私にはお前がどの漢字を書くのかも何が残るのかも読めていたんだよ。
山田>私はお前が三個の漢字を言った後別の紙に何かを書いただろう?
   その紙を見てごらん。
上田>これだな。
   お前の残す漢字は「田」だ。
   当たってるよ!
山田>じゃあ、そろそろ疲れてきたから帰るね。  
   また、会おう次郎。
……………………………………。
山田>どうでしたか上田さん。
上田>ばあちゃんは僕の漢字を当ててくれたよ。
   一体どんなトリックを使ったんだ?
   無論、僕にはもう分かっているが学者として正確な答を聞いておかねばならない。
山田>分かってるなら良いじゃありませんか。
   もちろん種はちゃんとありますよ。
   とにかくイタコなんて皆インチキなんですよ。
上田>そうかな? もし僕の言ってる人が本物だったらもうチャンスは無いよ。
山田>何でですか?
上田>その集会の参加費が1人10万だからだ。
山田>10万!!
   なんなんですかその金額。
上田>霊力をつけるために山に修行に行くらしい。
   その費用が10万なんだ。
山田>その修行って泊まりですか?
上田>当たり前じゃないか。
   2週間ほど泊まるらしい。
山田>ちょっと待って下さい、今考えますから。
山田(この費用は全て上田が出してくれる。
   それなら2週間分食費も光熱費も水道代も浮くじゃん。
   だったら損は無い、行こう。)
山田>行きましょう。
山田>そのインチキを暴いて見せます。   
上田>やっと行く気になったか。
   費用は全て俺が出す。
   YOUは俺がインチキを暴く手伝いをしてくれれば良い。
山田>手伝いでもなんでも良いです。
   費用がそっち持ちなら。
上田>じゃあ、明日の朝迎えに来る。
   用意して待っとけよ。
   言い忘れていたが矢部さんと石原さんも来るからな。
山田>分かりました。
   張りきって行きましょう!
上田>じゃ、今日の所はこれで。
山田>さよなら。
山田>帰ったか。
   そうだ! 大家さんに明日から留守にする事伝えなきゃ!
   それと明日に備えて食事を取らなくちゃ。