MR第二章
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ウィズ:ほ・・ほぼ絶滅状態とされてるシルファ族がこんなに居たなんて・・。
フィガロ:さぁ、とぼけてる暇はない。すぐに始めるぞ。
ウィズ:(あ・・あ・・だ・・・誰かタチケテ・・)
フィガロ:永らくお待たせしました。ただいまより魔力取得の為の第一審査を始めます!
第一審査のルールは簡単。今から一万人が一斉にスタートします。
そこで相手を10人気絶させれば自動的に第二審査に進みます。
ここでウィズは重要なことに気づいた。
何と、武器など何一つ持っていない。
ウィズ:(ヤバイ・・このままじゃ殺される(冷汗)
その時、会場の入り口の方から声が聞こえてきた。
レンジ:ウィズ〜!探してもこんなもんしか無かったけど何とか使えや〜!
ウィズ:ん?
すさまじい音と共に大剣が地面に突き刺さった。
ウィズ:(デカッ!(゚Д゚;))お、重・・・
フィガロ:それではスタートします。3,2,・・
ウィズ:(ちょ、ちょっとーーーーー!)
フィガロ:スタート!
合図と共に一万人の参加者一斉に飛び出し、我先にと闘っていた。
フィガロ:(どうやら、ウィズはまだ飛び出せてないようだな・・・。
能力を使用するコツが分かっていないから無理もないが・・・。
しかし危険を感じたときには必ず発動する!)
ウィズ:(ひぃ〜俺ヤバイ。絶対ヤバイってこれ)
ウィズは未だ大剣が持ち上げられない様である。
と、その時。一人の参加者がウィズに襲いかかった。
参加者:いただきだーっ!
ウィズ:あわわわわわわ(;゚Д゚)
ガギィィィィィン・・・・。
一寸の閃光が現れたと思った瞬間ウィズは軽々と大剣を持ち上げ、参加者の攻撃を防いだ。
むしろ無防備だった参加者の方が閃光で気絶している。
ウィズ:え・・・?
この状況で自分自身の能力に気づくのは非常に難儀なことであった。
考えればいくらでも可能性があるからである。
ウィズはとりあえず大剣で攻撃を防ぐことに専念した。
レンジ:おぉー!うまくやってんじゃんウィズの奴。
あの剣、物と接触する度に火花みたいな光を発するけど、
あれがうまくいく理由なんかな。
ウィズ:(な・・・何か守ってるだけで気絶してくぞ)
フィガロ:(閃光剣を持つことが出来るのは電脳世界の中でも相当レアな能力者だけ・・・。
ウィズの筋力には変化がみられない。つまり、アイツの能力は・・・)
おっと。いつの間にか10人倒した奴が出たな。
ウィズは、自分の能力に薄々感づき始めていた。
ウィズ:(さっきからパワーアップした訳でもないし、他にこの重い大剣を持つことができるとすれば・・)
レンジ:(どうやら重力関係みたいやな〜。)
しかし、やはり凡人の体力で闘うというのは想像以上にキツイらしく、
ウィズの息もいつの間にか上がっていた。
大剣も地面に突き刺さってしまっている。
フィガロ:(自分の能力に気づいたまではいいが、それを応用することができなければ
この審査は通れない。)
ウィズ:ぐ・・・。(ヤバイ、敵が来る!)
とっさに剣の重力を軽くすることをイメージしてみたが、少しも軽くならない。
ウィズ:軽くなれこの野郎ォォォォォォ!!
レンジ:・・・・!!
いつの間にかウィズは会場の天井近くまで跳んでいた。
敵は動揺し、ウィズがどこにいるかも分かっていない。
レンジ:これが10人目だぞ・・・。・・・!?
ウィズは、自分が驚くべき跳躍をしたにも関わらず、躊躇せずに大剣を下に向けていた。
だがレンジが驚いたのはそれでなく、大剣から、沢山の火花が飛んでいることであった。
レンジ:今は物に触れていないから閃光は出ないハズじゃ・・・?
フィガロ:剣の重力を増やしたんだな。
レンジ:え・・・?
フィガロ:閃光剣は本来斬ったりする剣ではない。光で相手を気絶させる剣だ。
ここまでは推測でも分かっていると思うが、
ウィズの能力は重力のコントロール!
高く跳んだのは自分の重力を軽く、そして剣を重くしている。
レンジ:けどなんで閃光が・・・?
フィガロ:剣を重くすることによって空気を斬っているからだ・・。
レンジ:・・・!
敵は沢山の火花でいつの間にか気絶していた。
ウィズはそれから剣と体を軽くし、ゆっくりと着地した、
レンジ:(ウィズ・・・なかなか覚えが早ぇな。)
フィガロ:一次審査をこれにて終了する!しばらく3日ほど合格者に猶予を与える。
傷を負った者は体を休めるが良い!更に練習を積み、二次審査に備えるのも重要だ!
では、解散!
ウィズ:と・・とりあえず生きてる・・(じわ〜)
レンジ:おー、この野郎なかなかやるじゃん!
ウィズ:レンジ!剣ありがとー!死ぬとこだった・・。
レンジ:まぁ今日はゆっくり休んだ方がいいな。体も限界だろ?
慣れない内に使うと体力が凄い勢いで減・・・モゴモゴ
フィガロ:(今ウィズにお前の正体がバレたらまずいんだよ!(゚Д゚#))今日は私の紹介する宿で泊まるが良いよ。
会場を出てまっすぐに行くとある。
ウィズ:おぉー!サンクス!じゃぁ先に行ってるね。
フィガロ:では三日後に。
会場にはレンジだけが取り残された。
レンジ:(何やあのオッサン知ってたんかい。)早く三次審査に上がってこいよウィズ・・。
と、外に出ようとしたときであった。
男:待て!レンジ=シューベルトだな!?
レンジ:そうやが何か?・・・事と次第によっちゃぁ手加減せんで・・。
男:お前さんにはとんだ賞金が掛けられててね・・・。ここで捕まえてやろう!
レンジ:とんだ口を利くやないけ・・・ザコが。
その頃、宿屋では・・・。
ウィズ:(こんな日が、まだ続くなんてぇ・・・)でも、フィガロ。
何で魔力持ってないのに能力は使えるんだろう?
フィガロ:魔力とは別に、生まれた時から持っている力、というものが存在するからだ。
その力が大きい分、能力の応用やコントロールが可能になる。
ウィズ:ハァ・・・。まだ能力の使い方がよく分からないんだよなぁ・・。
このまま二次審査に行ったら絶対ヤバイことになるだろうな〜。
フィガロ:能力が分かれば大体のコツは分かるぞ。
ウィズ:え?
フィガロ:能力にも分類が有ってね、[自然系統]、[錬成系統]・・
種類はそんなに多くないんだが。とにかくお前の能力は重力のコントロール。
つまり、自然系統に有る訳だ。
ウィズ:重くするときは重力を作り出しているから錬成系統じゃないの?
フィガロ:少し違うな。最初の内は二つの系統を跨ぐことは出来ない。
自然系統の特徴と言えば、能力発動時に術者の周りに多少の異変が起きる。
ウィズ:ん〜、そう言えば空気が変な感じになったのは覚えてるよ。
なんつーか、固まりが手の方に向かっていくような感じ・・・。
フィガロ:正確に言えば空気というよりは重力が固まって
術者の孔近くに集まったんだろう。
ウィズ:(難しくなってきた・・・(汗)孔?
フィガロ:さっきも言ったけど生まれた時から持っている力、つまり生命力を
放出する穴みたいなモンだ。
ウィズ:穴・・・?そんなもんあるの?
フィガロ:んー・・生命力が見えないのと同じで
孔も見ることはできないんだ。生命力は応用次第で色が透明じゃなくなるけどね。
相当の素質を持ってないと生命力の色を変えることは不可能だし。
ウィズ:(勉強してるみたいで眠くなってきた・・。)
じゃ、俺先に寝るー。
フィガロ:おう。私は明日出発するから、次に会うのは二次審査会場だな。
ウィズ:ふぃー。
ウィズがフィガロの部屋を出ていったとき、ジュロームがあわや瞬間移動のように部屋に現れた。
ジュローム:これがレンジって子のファイルみたい。
捨てるのは自分でやってね。私は先に自分の部屋で寝てるから。
あー眠・・・。
フィガロ:ふぅ。図書館から盗み見るのも結構大変だな・・。でもレンジのことも気になるし・・・・!?
そこにはレンジの能力他、
様々なことが詳しく記載されていた。
フィガロ:道理で凄い生命力を感じたわけだ・・・。
三次審査までシードなのも納得が行く・・。
レンジ:これに懲りて二度と手ェ出すな・・・・。
男:グッ・・・。
レンジ:こいつ、まだ意識が・・。しゃーない。暫く眠らせたる。
レンジの手に緑色の光が溜まっていった。
顔の大きさほどまで膨らんだかと思うと、高速で男の方へ飛んでいった。
男:待っ・・・
何とその球体は男を持ち上げたまま壁を突き破って
外に勢いよく飛び出した。厚さ2mの壁を破って。
レンジ:これがザコとの違いや・・よう覚えとき!!
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第二章 完