第1章 嵐ガフク秋 その2

−奥山ウェイスタジアム−

篭尻「ふ〜意外と寮から遠いでんな〜・・・フゥーしんど・・・」

竹林「つうかなんで俺たち走ってきたんだ・・・ハァ、ハァ・・・」

岩橋(・・・ゲホッゲホッ)

お前ら早くココに来い!

篭尻「あれは・・・・・・・・選手会長の塚野はん!」

塚野 清正(つかの きよまさ)、来年で入団10年目になる選手会長。

塚野「これで全員か・・・・・・・・では、適当に横三列で並べ!」

そういって俺たちはホームベースから大また三歩離れた所に、

バックスクリーンを背に向け並び始めた。

岩橋「選手会長さん。一体今から何をするんですか?」

塚野「それがなー・・・・俺もまだ何をするのか知らないんだよなぁこれが」

(・・・塚野さんも知らないか〜一体何があるんだ?)

そして、横三列に並び終えた瞬間、一塁ベンチのほうからコーチ達がこっちに向かって歩いてくる。

しかし、どのコーチも難しい顔をしている。その中には監督の姿が見えなかった。

(やっぱ監督が急死したんと・・・パシッ!)

(あほな事を言うな!)

(チクリンはん痛いでんがな〜)

そこ!騒がしいぞ!

また塚野会長に篭尻が怒られた。

コーチ達はホームベースから大また五歩離れた場所に一列で並んだ。

そうして、並び終わって1,2分経ってから福盛 正一(ふくもり しょういち)監督がコーチ陣の並んだ中心の二歩前に出た所に立った。

監督はため息を大きく一度ついて俺達に向かって辛そうに話し出した。

監督「実はなぁ〜先ほどプロ野球法律組合の記者会見があってな、

それをマネージャーの岸部君に取材しに行ってもらったんだがな・・・

そこで新しい制度できたらしいのだよ。

その内容なんだがな・・・・・・・・実際お前達には関係の無い話だ!

といいたいんじゃが・・・」

選手の誰か「焦らさずに早く言って下さい!(早く遊びに行きたいんだから・・・)」

監督「そうか?・・・・じゃあ言うぞ。後悔はしないでくれよ・・・・・

来季、またビリの場合、アマの野球チームと対戦する事になる。」

岩橋「それだけですか・・・?」

監督「まだ続きがあるから静かにしといてくれ・・・・」

弱弱しく監督が口にする。

監督もし、その試合に負けたら・・・・」

選手全員「負けたら・・・・?」

監督球団がなくなる・・はぁ〜・・・・」

監督の深いため息と共に選手全員の目が点になった。

第1章 嵐ガフク秋 その3につづく。