第2話「人食い植物」 怪奇植物 ジュリエンヌ登場

とあるアパートの1室に貧乏くさい青年が1人で住んでいた。青年はスーパーから買ってきた食品を袋から出している所だった。
青年「ん?こんな物あったっけ?」
青年は買った覚えのない植物を手にとって言った。その植物は茎と葉っぱだけしか無く、ただの雑草の様にも見えた。
青年「誰かがいたずらで入れたのかな・・・?」
そう言って青年はその植物をゴミ箱に捨てた。
青年は買ってきた食材で調理をし始めた。すると、青年のいなくなった部屋のゴミ箱からあの植物が這い出してきた。
戻ってきた青年がそれを見つけた。
青年は恐る恐る植物に近づき、それを手にした。
青年「何だこれは・・・。うわぁぁぁぁ!!!」
植物は葉の根元にあった大きな口を開き、青年を飲み込んでしまった。

イケハタ「殺人事件ですか?そんなの警察に任せておけばいいじゃないですか。我々が行く必要ありませんよ。」
シンドウ「しかしな、ただの殺人事件じゃないかもしれないんだ。」
イケハタ「何でですか?」
シンドウ「目撃者がいたんだがな、植物が人を食べたって言うんだ。」
イケハタ「はぁ?何ですかそれ?」
シンドウ「それをお前に調べに行ってもらいたいんだ。」
イケハタ「この前の事件の事でみんな忙しいんだ。1番暇なお前が行って調べて来い。」
このことを言われては何も言い返せないので、イケハタはこの事件のことを調べに行く事になった。
イケハタが事件のあったアパートへ行くと、警察官がたくさん集まっていた。イケハタがそこに近づいていくと、横から警察官が話しかけてきた。
警察官「科学特捜隊の方ですね。こちらにどうぞ。」
その警察官に連れられてイケハタは中へと入っていった。部屋に入ると居間の壁と床が血まみれになっていた。
イケハタ「うわぁ。ひでぇなぁ…・」
警察官「ここに住んでる1人暮らしの男が殺されたんですが…」
イケハタ「あれ?1人暮らしって、目撃者がいるんじゃないですか?」
警察官「ああ。そこの家の主婦が洗濯物をとりこんでいるときに目撃したらしいです。」
そう言って警察官は窓から見える向かい側の家を指差した。
イケハタ「じゃあその人の話を聞かせてください。」
警察官「いいですよ。行きましょう。」
イケハタは警察官に連れられて隣の家へと向かった。
隣の家にも何人もの警察官がいた。家の中へ入ると、警察官に話を聞かれている女の人がいた。
イケハタ「あの人ですか?」
警察官「はい。」
イケハタはその人に近寄り、話を聞き始めた。
イケハタ「あの〜、あなたが見たことを詳しく話していただけないでしょうか?」
主婦「昨日の夕方、洗濯物をとりこんでいたら、あそこの部屋  の窓が開いていて中が見えたんですよ。」
イケハタ「ふむふむ、それで?」
主婦「あの人の持っていた草が突然大きくなって…」
イケハタ「その人食べられちゃったんですか?」
主婦「はい…」
イケハタ「その後その植物がどこに行ったかとかは分かりませんか?」
主婦「分かりません。すぐどこかに行ってしまったので…」
イケハタ「じゃあ、まだその辺にいるかもしれないんですか!?」
主婦「そうですね…」
イケハタ「そうですか…。どうもありがとうございました。」
主婦「いえ、あまり役に立てなくてすみません。」
話を聞き終わったイケハタは本部へと連絡した。
イケハタ「イケハタから本部へ、誰かいませんか〜。」
ホシ「何ですか?何かわかりましたか?」
イケハタ「今目撃者に話を聞いてきたんですが、ホントっぽかったですよ。それよりキャップはいないんですか?」
ホシ「キャップはイガラシ隊員と一緒に別の事件の調査に行きましたよ。」
イケハタ「こんないつ化け物が現れるか分からない所にいつまでもいたくないんだけど…ヤマトは何やってんの?」
ホシ「・・・・ヤマト隊員も忙しいみたいですよ。」
イケハタ「じゃあ仕方ないか…。何かあったら連絡するよ。」
イケハタは通信を切った。そのころ科特隊本部でヤマトはコーヒーを飲みながらゆったりとしていた。
イケハタ「はぁ、何か変わったことはありましたか?」
イケハタは近くにいた警察官に聞いた。
警察官「いえ、特に変わった事はありませんでしたよ…ん!?」
警察官が窓の外を見て眉をしかめた。
イケハタ「どうしたんですか?」
警察官「警官が1人もいなくなってるんですよ。」
警察官は事件のあった部屋を指差して言った。そこにたくさんいたはずの警察官が1人残らずいなくなっていた。
イケハタ「ホントだ…。さっきまであんなにいたのに…。」
警察官「ちょっと私見に行ってきます。」
そう言って警察官は家を飛び出して行った。
イケハタ「あ、私も行きますよ。」
そう言うとイケハタはその後についていった。
イケハタがアパートの部屋の前に来たときに警察官はもう中に入っていた。イケハタもそれを追って中へと入った。
イケハタ「誰かいませんか〜?」
周りを見渡しても誰もいない。
警察官「た、助けてくれ〜!」
さっきの警察官の悲鳴が聞こえたので、イケハタは声のする方へと走って行った。するとそこにはとても巨大に成長した植物と、それに食べられているさっきの警察官がいた。
「うわぁぁぁぁ!!!!」
そのまま警察官は飲み込まれてしまった。すると、植物はまた少し大きくなった。
イケハタ「こいつ…人を食って成長するのか…。という事は、ここにいた警察官は皆こいつに食われたのか…。」
植物はイケハタの存在に気付いた。
イケハタ「やばいっ!」
イケハタはスーパーガン(光線銃)を取り出し、植物に向けて撃った。すると光線はみごと命中し、植物の動きが止まった。
イケハタ「やったか!?」
植物は体を点滅させながらおかしな動きをし始めた。
イケハタ「な、何だ??……やばいっ。」
イケハタは植物の様子がおかしいのに気付き、部屋を飛び出した。イケハタが部屋を出るのと同時に、アパートの屋根を突き破って巨大化した植物怪獣、ジュリエンヌが出てきた。
イケハタ「みんな〜、逃げろ〜!」
イケハタが近くにいる人を避難させる。
イケハタ「イケハタから本部へ、でっかい植物の化け物が出たぞ!」
ホシ「え?植物の化け物?」
それを聞いて、コーヒーブレイクを楽しんでいたヤマトは無言で飛び出して行った。
イケハタ「とにかく応援をたのむ!」
ホシ「応援って、今ヤマト隊員しか…あれ?いない…」
外に出たヤマトはウルトラマンに変身して、イケハタのいる場所へと飛び立った。
イケハタ「ヤマトがいない?……あ、ウルトラマンだ。」
ウルトラマンは暴れるジュリエンヌにキックを食らわした。ふっ飛んでいくジュリエンヌ。体勢を立て直したジュリエンヌはウルトラマンに向かって無数のツルを伸ばしてきた。ウルトラマンはツルの攻撃を必死にかわすが、ツルはどこまでも追ってくる。
ウルトラマンは逃げるのをやめて、ツルに向かってスペシウム光線を放った。するとツルは燃えさかり、地面に落ちていく。
ジュリエンヌは、今度は口から毒液を吐いて攻撃してきた。ウルトラマンはバリアーをはって攻撃をかわし、今度はジュリエンヌに向かってスペシウム光線を放った。
しかし、ジュリエンヌはダメージを受けるどころか、さっきよりも元気になってしまった。
イケハタ「ウルトラマ〜ン!」
ウルトラマンはイケハタが呼んでいるのに気付いた。
イケハタ「さっき調べたんだが、あいつはジュリエンヌって言う植物で、エネルギーを吸収して育つんだ。スペシウム光線は効かないぞ〜!」
ジュリエンヌは再び毒液を吐いてきた。油断していたウルトラマンは毒液をまともに受けてしまい、カラータイマーが点滅し始める。スペシウム光線を2回も撃ったのでエネルギーの消費が激しくなっているのだ。
体勢を立て直したウルトラマンは胸の前で腕を×印にクロスさせた。すると、ウルトラマンの身体が炎に包まれた。そのままウルトラマンはジュリエンヌに突進した。
炎に包まれたジュリエンヌはやがて燃え尽きた。そしてそれを見届けたウルトラマンは飛び立っていった。
後にイケハタの調べで分かったことだが、ジュリエンヌはフランスのごく1部にだけ生えている植物で、貿易船に乗って日本にやってきたらしい。もしかしたら日本にまだ生き残りがいるかもしれない…
第2話終わり    第3話へ続く
登場怪獣紹介
怪奇植物 ジュリエンヌ
身長10cm〜60m  体重5g〜1万t
フランスのごく1部にだけ生えている植物が、スーパーガンのエネルギーを受けて巨大化した。肉食で、エネルギーを吸収して育つ。口から毒液を吐く。

次回予告(予定)
過去に2度地球を襲った怪獣、ガラモン登場
再びガラダマが地球へとやってくる!